春先になると花粉症に悩まされる方は多いと思います。症状を抑えるために薬などを飲んで時が過ぎるのを待っているのが現状。でも本当は対処療法ではなく根本的に改善したいですよね。今年には間に合わなくても来年に向けて始めてみませんか?
腸の免疫機能
人の胃や腸は体内にありますが、口や肛門で外の世界とつながっています。そのため胃壁や腸壁は体の外側にあると考えられます。イメージ的にはちくわの様な感じです。
そのため、細菌やウイルスなどからだにとっての異物に触れやすい状態にあります。腸の表面積はテニスコート一面分ほどの広さがあると言われていて異物が付着しやすくなっています。これらの異物から身体を守るために免疫機構が発達しました。これを「腸管免疫」と言います。
腸管免疫は、細菌やウィルスに対して防御のために免疫を活性化する一方で、腸内細菌や食物に対しては免疫を抑制し、栄養成分の摂取を可能にしています。
小腸には「パイエル板」と呼ばれるリンパ小節が集まった腸管特有の免疫組織があり、ここでの情報処理がうまくいかないと、アレルギー反応などの異常な免疫反応を引き起こすことがあります。
免疫機能の暴走
アレルギーは、免疫機能の暴走であると言われています。有害な異物を体内から排除するのが免疫であり、我々のからだを守るためには必要不可欠なシステムです。しかし、本来無害であるはずの異物に対して免疫反応が起こってしまうことがあり、これがアレルギー反応です。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」といい、花粉、ダニ、ハウスダスト、食物、薬物など、私たちの身のまわりには多くのアレルゲンがあり、どのアレルゲンに反応するかは人それぞれです。
アレルゲンが体内に入ってくると、これを排除するために「IgE(アイジーイー)抗体」というタンパク質がつくりだされます。再びアレルゲンが侵入してきて、このIgE抗体が反応したとき、皮膚や粘膜上にあるマスト細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されて、かゆみなどの症状が現れます。
免疫機能が集まっている腸と、免疫機能の暴走であるアレルギー。そこにはどんな関係があるのでしょう?
アレルギーを抑えるために腸内環境を整える
「今までアレルギーが出ていなかったのに、最近出るようになった」
それは腸内環境が影響しているのかもしれません。とくに生活リズムが乱れている人は要注意です。腸内環境の悪化が原因かもしれません。
腸は粘膜で覆われて保護されています。細菌や有害物質を体内に取り込まないようにするバリアなのですが、これが緩んでしまうと本来透過することがない細菌や食べ物の一部などが血中に入ってしまい、免疫が反応することでアレルギーを引き起こすきっかけとなります。食物アレルギーやぜんそく、肌荒れ、花粉症などのアレルギー、下痢や便秘など様々な症状を引き起こすと考えられています。
ではどんなことに気をつければいいでしょう?
規則正しい生活
ヒトの体内時計は24時間より長めにできているため、毎朝太陽の光を浴びてリセットしてあげないと、生活がだんだん後ろにずれてしまいます。毎日できるだけ同じ時間に入床、起床することが規則正しい生活を作ります。
バランスのとれた食事
ご飯などの「糖質」、肉や魚、大豆などの「たんぱく質」、野菜や海藻などの「ビタミン・ミネラル」の食材を揃えることで、食卓の栄養バランスが整います。穀物、芋類、豆類、干しシイタケ・切干しダイコンなどの乾物、大豆、バナナ、牛乳などのオリゴ糖が豊富な食品や、発酵食品に多く含まれているビフィズス菌の摂取を増やすことを心がけましょう。
食物繊維・乳酸菌・発酵食品を積極的に食べる
発酵食品には腸内フローラを整える乳酸菌などの善玉菌が含まれています。また、食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内の菌数を増やすことに役立ちます。
定期的なストレス発散
ストレスは睡眠不足を引き起こすなど腸内環境にとっても良くありません。適度に体を動かすなど、ストレスを発散することで、自律神経が整い腸内環境も改善されます。
自律神経の乱れ・加齢
自律神経
また、腸内環境に影響しているのは生活習慣だけではありません。自律神経の乱れや加齢も原因となることがあります。自律神経の乱れによって、血流が悪くなり、消化吸収機能が低下して腸内環境のバランスが偏ってしまいます。消化機能はリラックスしているときに高まるので、アロマやハーブを活用したり、マッサージをするのも効果的です。
肺機能
腸内環境の乱れは、肺の機能にも関係しています。肺の機能は年齢とともに衰えてしまいます。これは呼吸法を意識して肺を鍛えることによって改善しますので、ぜひお試しください。
肺を鍛える呼吸法
8秒数えながら肺が一杯になるまで息を吸い、吐き出します。その後16秒を使って少しずつ息を吸っていきます。最後に2~3秒息を止めてから力強く息を吐きます。この呼吸法を3回程行いましょう。