第22日目。尿の生成と排泄2です。
尿の生成と排泄2
水の再吸収
水は、Na+ の再吸収に伴い、浸透圧を戻すために受動的に、70~80%が近位尿細管で再吸収される。 残りは、ヘンレのループ下降脚、遠位尿細管、集合管で吸収される。
集合管では、下垂体後葉から分泌されるバゾプレッシンが、水の再吸収を促進する。排泄される水分は糸球体ろ過量の1%以下である。
水利尿
多量飲水での体液の浸透圧低下がバゾプレッシン分泌を抑制して尿量を増す。※飲んだら出る
水中毒
水を過度に摂取すると、水分が細胞内に入り膨張、死に至る。※神経細胞が破壊される
尿崩症
下垂体後葉の障害でバゾプレッシン分泌が抑えられ尿量が増加。
浸透圧利尿
大量のグルコース、多量の食塩摂取で尿細管内が高浸透圧になると尿量が増加する。マンニトールで測定する。 ※糖尿病の人はこの症状がある
尿糖
グルコースは近位尿細管で能動的にほぼ再吸収されて尿中には出ない。
大食いなどで血中グルコース濃度が、正常値 100mg/dl の約2倍を超えると、ろ過量が最大輸送量:Tm (再吸収能力)を超えるためグルコースが尿中に出てくる。これは一過性糖尿病。
一方、近位尿細管における再吸収の機能障害では、Tm が低くなり、血中グルコース濃度が正常でも糖尿を起こす。これは腎性糖尿病。
アミノ酸尿
血中アミノ酸は、グルコースに比べ Tm が高いため、高濃度でもほとんどが近位尿細管で能動的に再吸収される。 中性、塩基性、および酸性アミノ酸の再吸収系が全て障害されて、アミノ酸が出るのを汎アミノ酸尿、一部の障害によるものを部分アミノ酸尿という。