第18日目。栄養と代謝2です。
栄養と代謝2
空腹時、肝臓でグリセロールやピルビン酸から、脳が使うグルコースを生成することを糖新生という。
脳以外の組織では、脂肪組織の脂肪酸がβ酸化されたケトン体を用い、これがクエン酸回路に入りATPを作る。ケトン体は多すぎるとケトアシドーシスになる。
吸収期では、膵臓から出るインスリンが余ったグルコースをグリコーゲンや脂質に合成して血糖値を下げ、空腹時には、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、糖質コルチコイド、アドレナリン (グルカゴン) が逆にグリコーゲンや脂肪から グルコースを生成して血糖値を上げる。
呼吸による02摂取量と、CO2排泄量との容積比 (CO2/02) を呼吸商という。
糖質・たんぱく質は、4.1kcal/g、脂質は、9.3kcal/gのエネルギーを発生する。アトウォーター係数という。
基礎代謝が高いのは、冬、男性、子供、過食、甲状腺ホルモン分泌時である。 体表面積に比例する。
激しい運動時、筋肉内のATPは、エネルギー源としてすぐに消費されて無くなってしまうが、まずクレアチンリン酸(CrP) 機構で、筋肉内のクレアチンリン酸からリン酸基を供給しATPを再合成。次に乳酸性機構で解糖によりATPを産生。この際、過剰になったピルビン酸は、乳酸として蓄積される。 ここまでは無酸素下:無酸素性エネルギー産生機構。
その後は、酸素下で好気性エネルギー産生機構により、クエン酸回路へ入りATPを産生する。
酸素不足による乳酸の蓄積が酸素負債で、 運動後、 酸素により除去されていく。
無酸素性エネルギー産生機構
クレアチンリン酸 (CrP) とは、アミノ酸の一種であるクレアチンがリン酸化されたもので、肝臓で合成され、血液によって筋肉に運ばれます。クレアチンリン酸に分解するときにエネルギーを発生します。
筋収縮の直接のエネルギー源はATPであり、 ATPが分解されてアデノシンニリン酸(ADP)になるときに放出されるエネルギーが使われますが、ATPは筋繊維の中にわずかしかないため、激しい運動ではすぐに尽きてしまいます。そこでクレアチンリン酸がすみやかに分解して、ADPにリン酸基を引き渡し、急速にATPが再合成されます。
たとえば100m走のような激しい運動では、競技者は、ほとんど呼吸をせず酸素が供給できません。 筋収縮に必要なATPを供給し続けるために、まず筋肉内でクレアチンリン酸を分解してATPを短時間で供給します。しかし、クレアチンリン酸機構だけでは短時間しかATPを補充できないため、運動を続けるために乳酸系機構が働き始めます。
これらは酸素を必要としない反応であり、このふたつを合わせて無酸素性エネルギー産生機構といいます。