第9日目。循環の生理学の4日目です。
循環の生理学4
循環調節は、自律神経を介した神経性調節、ホルモンを介した体液性調節、および局所性調節による。
神経性調節
- 血圧上昇を圧受容器である頸動脈洞と大動脈弓が感知し、副交感神経を介して延髄の循環中枢へ伝える。 心房壁には容量受容器がある。
- 血中の酸素・二酸化炭素分圧の変化を化学受容器である頸動脈体と大動脈体が感知し、副交感神経を介して延髄の呼吸中枢、循環中枢に伝える。 延髄に二酸化炭素に敏感な中枢性化学受容器もある。
- 心臓では全体的に交感神経が分布していて、心拍数を増加、心室筋収縮力を増強、副交感神経が固有心筋に分布していて心拍数を抑制する。 (拮抗支配)
体液性調節
- 副腎髄質から分泌されるアドレナリンは 心機能 (β1)を増強し、交感神経末端からのノルアドレナリンは 血管 (α) を収縮させて血圧を上げる。
- 下垂体後葉から分泌されるバゾプレッシンは 腎集合管での水保持を促進し、 さらに血管平滑筋を収縮させて血圧を上げる。※視床下部が浸透圧調整中枢となり働く
- レニン-アンジオテンシン系で 副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、腎遠位尿細管で Na+ の再吸収を促進して体液を保持し、血圧を上げる。心臓からの ANP は逆に Na+ を排出して、血圧を下げる。※ANP:心房性ナトリウム利尿ペプチド